需要拡大。
それに対して何故これまでと同じ人員でやれると思うのか。
こんばんは。
10月19日、KYB株式会社は、建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査データ改竄問題について、「とにかく納期に間に合わせるため」という姿勢があったと説明しました。
建物の耐震対策として採用されている免震装置と制振装置。
昨今の大型地震の発生などにより、防災拠点となる役場庁舎や警察署などでの採用が普及していたということです。
免震装置というのは建物の地下などに免震層という揺れを吸収するゴムやオイルダンパーを設置した層を設け、地震の揺れを建物に伝えないようにする装置です。
その為、建物の建っている敷地と道路などの境界線はアスファルトやタイルなどで繋がっているように見えても、地震発生時は地下では免震層が大きく動いている可能性が高く、地上部では建物が大きく動いたり、境界線でひび割れなどが起こる可能性が高いです。
その危険性を知らせる為、免震構造の建物には外壁部などに、
「この建物は免震構造です。
大地震時は○○cmほど建物が動きます。
動く建物にぶつかったり、動く床に挟まれないように注意してください」
という注意書きが貼られています。
実際に、2011年3月11日の東日本大震災では、免震構造の為、大きく揺れるマンションなどの映像が多く見られました。
地震に耐えるのではなく、揺れを吸収し、逃がす方向で考えられたのが免震装置というわけです。
一方、制振装置というのは、既存の建物の耐震工事にて採用されるケースが多かったようです。
皆さんもご覧になられたことがあるかもしれませんが、建物の壁に大きく筋交いのように設置された油圧装置がそれです。
各階に揺れを吸収する減衰材として、各ビルの間口に合わせた油圧装置を設置し、地震の揺れを建物だけで受けるのでなく、装置で揺れを吸収し、逃がす。
すでにある建物を立て直すのは大変ですが、この装置を設置することで、地震に備えるというビル所有者はここ20年で急増していたように感じます。
KYB株式会社がこれらの免震装置と制振装置の生産を強化したのは2012年頃と言います。
1995年の阪神淡路大震災後、これら装置の需要は急激に高まり、耐震工事の補助金制度を採用する自治体も増加しました。
KYB株式会社にとっては一種の耐震バブルとも言える状況があったのかもしれません。
しかし、増える需要に対して、製造された装置の検査は基本的に1人で実施されていたと言います。
こういう装置ですから、それぞれの建物に合わせた作りになります。
地下の状況は建物によってそれぞれ違うでしょうし、おそらくはその土地のボーリングの調査結果によっても調整が必要だったことでしょう。
それをそれぞれの基準に合わせ、1人で検査。
しかも、基準に適合しなかった場合は5時間前後掛けて部品を分解し、調整し直した上で再試験する必要がったということです。
検査員はその業務に耐えかねて、基準値をクリアしていない場合でも、検査データを基準値をクリアするように改竄して検査記録を提出し、装置をそのまま出荷していた。
その行為は15年以上前から行われており、少なくとも8人の検査員が関与していたということです。
8人はsのデータの改竄方法を口頭で引き継ぎ、納期に間に合わせる為、不正に手を染めた。
「納期に間に合わせる為だった」
8人は改竄理由をそう説明したということです。
何故、検査員を1名しか配置しないのか。
検査員は利益を生むポジションではないからないがしろにされてきたのか。
俺たちの作った製品をただ検査してハンコ押して出荷しているだけ。
最初は基準に合わない場合はちゃんと組み直して再検査をしていたかもしれません。
しかし、忙しくなり、出荷担当からせっつかれる。
「いいから早くハンコ押して回せよ!」
そんな言葉があったのかもしれません。
KYB株式会社はISO14001を全ての工場で取得した認証企業のようです。
ISO認証を受けているということは、年に1回は審査機関の審査があり、3年に1回は更新審査を受けているはず。
ISO認証では製品検査などは重要な項目に当たるはずですが、その審査では改竄されたデータが明るみに出ることはなかったということなのでしょう。
「優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします」
KYB株式会社に3つある経営理念の1つです。
古臭いかもしれませんが、始業前に全社員で唱和して業務開始した方が良いかもしれませんね。
言葉には力が宿る。
毎日言っていれば、良心の呵責でデータ改竄なんてことは減少するかもしれせん。
KYB株式会社に限らず。
それではまた。
/ ブ ロ グ ラ ン キ ン グ 参 加 中 で す \
\ 応 援 よ ろ し く お 願 い 致 し ま す /
全ての原因は人手不足と格差社会にあると思う。