まさかこんなことになるなんてと言う。
でも、その前にちゃんと考えていたのかどうか。
こんばんは。
恐ろしい事が起こりました。
9月22日午前10時40分頃、兵庫県姫路市の金属のリサイクル工場でそれは起きました。
リサイクル工場内で、機械設置会社社長の西岡昌司さん(64歳)が金属を切断・プレスする機械に頭を挟まれ、亡くなりました。
西岡さんは従業員の作業員2人と金属を切断する刃を交換していたということですが、作業員の1人が警察の調べに対し、
「持っていたリモコンスイッチに身体が触れてしまい、機械が作動してしまった」
と話しており、警察は業務上過失致死の疑いで調べているということです。
なぜ、電源が入った状態で刃を交換していたのか。
まず、第一に感じる疑問はそこです。
何度も同じ作業をしているからと、本来ならば電源を切って作業をしなければならないところをそのまま作業したということなのでしょうか。
それとも、西岡さんは作業員に電源を切れと指示していたが、切っていなかったということなのか。
そもそも、リモコンがついている切断機ですから、かなり大きなものなのでしょう。
切断したい金属をセットして、離れたところから安全に切断をできるように、リモコンが安全装置の役割を果たしていたと考えられます。
しかし、今回その遠隔操作のリモコンが仇となった。
過失なのか、故意なのか。
それはこれからの警察の捜査で解明されていくことでしょう。
工事現場で仕事をする時、必ず実施するミーティングがあります。
それは作業開始前に作業員全員で集まって実施するミーティング。
KYミーティングと呼ばれています。
KYとは「空気読めない」ではありません。
「危険予知」の事です。
これから行う作業はどういった危険が考えられるか。
その危険を回避する為にはどういった対策が必要か。
それを作業員全員で確認し、認識するというミーティングです。
何が危ないかなんてわかってる。
大丈夫、いつもやってる作業だし、問題ない。
ヘルメットは暑いからしなくていい?
意識の低い手慣れたベテラン風の作業員ほど、一緒に仕事をしたくない人はいません。
何故、自分の身や周囲の身の危険を考えないのか。
そういう人ほど、問題を起こしがちです。
高いところから落ちれば死ぬかもしれないし、電気が来ていないことを確認しないで配線を切れば感電死するかもしれません。
今回の作業。
僕が作業責任者であれば、必ずこう確認したでしょう。
「切断機の刃は機械の電源が切れていることを確認してから交換する」
そんなの当然じゃないか。
でも、当然の事が出来ていないからこういう事故が発生する。
いつもやってるから大丈夫。
そんなことはありません。
例えば、電気の力でブレーキを掛けている機械の点検作業。
ブレーキが掛かっていないと自重で刃が下りてくるような機械。
本来ならば電源を切って、ストッパーを設置して刃を交換するでしょう。
でも、面倒だからそのままブレーキの掛かった状態で交換する。
1回それをやってしまえば、2回目からは躊躇はなくなるでしょう。
そうやってそのやり方が日常化していく。
では、もし交換作業中に地震が来て停電したらどうするのでしょう。
あっという間に刃が下りてくることでしょう。
KYミーティング。
形式的でなぁなぁになりがちです。
でも、それは命を守るためのミーティングです。
面倒だと思うこと自体、何か勘違いしているように思います。
誰の為でもない、自分の為のミーティング。
ひとりひとりがそういった意識をもって作業を始めれば、こんなバカげた事故は絶対に起こらないと思うと、とても残念なニュースです。
日本国内で建設業や製造業に携わる人は社会人のだいたい1/4を占めていると言います。
それだけ多くの人が働いている。
そして、その中で多くの人災が起きている。
昔に比べると各企業の安全に対する意識は確実に高くなっています。
しかし、重要なのは末端で働く作業員ひとりひとりの意識。
誰もが加害者になる危険性があり、被害者になる危険性がある。
危険が伴う仕事に従事されている方は、こういったニュースを見聞きした際には、今一度自分の仕事内容について、見つめ直すのも良いかもしれませんね。
他人の振り見て、我が振り直せ。
「あの人がやってないから自分もやらなくていいだろう」
ではなく、
「あの人はやっていないけど、自分はちゃんとやろう」
という気持ちでいたいものです。
それではまた。
/ ブ ロ グ ラ ン キ ン グ 参 加 中 で す \
\ 応 援 よ ろ し く お 願 い 致 し ま す /
歳を取ると、当然の事を当然にやる事の重要性を知ることになります。