お金がない。
売るしかない。
こんばんは。
10月9日、医療行為などの診断報酬を主要な収入源とする「医療・福祉事業」の1月から8月にかけての倒産件数が196件に上り、年間の倒産件数が過去最多になる見込みであることがわかりました。
これは、民間の信用調査会社「株式会社東京商工リサーチ」による調査でわかったことで、前年度の同期間と比較すると40件増加しているとのことです。
また、倒産以外にも、病院や医院の身売りも続発しており、経営難に付け込んだ暴力団やブローカーによる診療報酬制請求権の売買など、業界全体として悪循環が起こっている状況にあるようです。
診療報酬請求権とは、医療機関が患者に施した診療や手術などの医療処置について、定めらえた点数を明細書(診療報酬請求明細書)に記載し、提出することで得られる保険負担分の医療費の請求権利です。
通常、明細書を国民健康保険団体連合会などの審査支払機関に提出すると、内容が問題ないか審査され、健康保険組合に送られます。
その後、健康保険組合が審査支払機関を通じて医療機関に保険負担分の医療費が支払われます。
その間、約2か月。
つまりは、医療機関は患者さんから支払われる約3割の医療費以外は支払い手形のように後日お金が入るようになっているということです。
この場合、資金が潤沢な医療機関であれば問題ないのでしょうが、小さな医療機関や自転車操業的に資金をやり繰りしている医療機関は何か歯車が一つ狂うと、あっという間に倒産に追いやられる可能性がある訳です。
診療報酬請求明細書はレセプトとも呼ばれ、経営難に陥った病院がそれを売却する場合があります。
病院側はそれを本来2か月後に支払われる金額より割り引いた価格でそれを売却し、すぐ資金に変える。
買い取った方は2か月後に正規の医療費の支払いを受け取り、その差額を儲けるということです。
過去、このレセプトを証券化し、レセプト債として商品化したファンド会社が破綻、詐欺発覚、逮捕ということがありました。
2015年11月、レセプト債を発行し、投資家から227億円もの資金を集めていたファンド会社「株式会社オプティファクター」などが破産申告。
その後、2017年2月には集めた資金が実際はほとんどレセプトの買取に充てられておらず、詐欺であるとされ、販売に携わっていた「アーツ証券株式会社」元社長の川崎正容疑者や「株式会社オプティファクター」元社長の児泉一容疑者らが逮捕。
2018年3月には児泉一被告に懲役4年の判決が言い渡されました。
診療報酬請求明細書を売却するということは、もう2か月も待てないということです。
それだけ、経営が悪化している。
実際にちゃんと証券化され、運営されていれば、そのシステムに助けられた医療機関もあったかもしれません。
しかし、実際にはそうはならず、詐欺の材料にされてしまった。
代わりに今では暴力団や悪質なブローカーなどに買い叩かれているという現実がある。
国の医療制度をネタに暴力団に資金集めをさせてしまう。
しかも、病院が経営難に陥っている原因のひとつが「国の財政状況の悪化」だと言われています。
国によって定められる診療報酬の基準はここ数年抑制傾向が続いており、それにより医療機関の経営環境の悪化を招いていると。
医者不足、医者の労働環境問題、病院の倒産、医療に関する問題はどれも深刻で今後さらなる高齢化社会が進むにあたってますます大きな問題になっていきそうです。
2025年度問題と呼ばれる5人1人が75歳以上という「超高齢化社会」が目前に迫ってきています。
働き方改革など、色々と対策をしようと進んでいるのでしょうが、個人的には後手後手に回っている感は否めません。
なんとか若い世代の給料アップを進め、結婚、出産、子育てと不安なく出来る環境を作っていかないと、本当に日本という国が破綻してしまうのではないかと、正直恐ろしいです。
いつからこんなに給料が上がらない時代になってしまったんでしょう。
なんというか、今さえよければいいと考えている一部のご老人方にはもう少し現実を見て欲しいと思うばかりです。
それではまた。
/ ブ ロ グ ラ ン キ ン グ 参 加 中 で す \
\ 応 援 よ ろ し く お 願 い 致 し ま す /
超高齢化社会で病院が足りないとか、悲惨でしかない、、、